
ナツキちゃんがメニューを差し出してくれる。
この子、割とあちこちで気を使ってくれるっす。
若いのに大したもんだな、と感心。
…いかんいかん、おっさんくさい。(笑)
メニューを受け取ると、おいらの目に真っ先に飛び込んできたのが「馬刺し」。
やっぱ熊本来たらこれっすね!
特上馬刺しと刺身の盛り合わせ、あとはナツキちゃんと相談して一品料理をいくつか頼む。
料理を待っている間、お通しに手を付けながら会話する。

そういわれて思い出す。
そういや明日の夜帰るんだった…
そういうとナツキちゃんはうわ~、という顔をした。
お気の毒、という心の声が聞こえてくるようだったっす。

せっかくの観光のチャンスが。
おいらの悪態にナツキちゃんが笑った。

…あ、でもそうだとしたらすみません。せっかくの最終日に。
表情が曇るナツキちゃん。
おいらは慌てて否定する。
どうせホテルにこもってビール飲んでるだけだっただろうし!
むしろこんなかわいい事楽しくご飯が食べられて幸せです。(笑)
親指を立てて彼女に向ける。
よくよく考えたらおっさん臭いしぐっさだったっすね(笑)

ナツキちゃんがそういった所で料理が次々と運ばれてきた。
運ばれてきたのはさしの入った霜降りの馬刺し。つやつやでピカピカ。…おいらグルメリポーターじゃないから語彙力ないっすよ。
でもこれは絶対日本酒が進むはず(笑)
…まあ、飲まないっすけどな。
一口ほおばると、甘くてとろりとした味。
刺身とはまた違った歯ごたえのある弾力。
やっぱ日本酒欲しい~!(笑)
食事をしながら盛り上がるおいらたち。
もちろんおいらは何とか「ご休憩」に持ち込めないか探りながらっすけど。(笑)
でもナツキちゃん、本当に良い子なんすよね…純粋っつーか。そんな女の子に対して何とか「ご休憩」に持ち込めないかどうか探っている自分にちょっと自己嫌悪。(笑)

うち母子家庭なんで
…巨大地雷を踏んじまった。
やべー!焦って余計な事聞きすぎた!

暗くならないように明るく気を遣うナツキちゃん。
やべー、
本当に良い子っす。
一瞬このまま楽しく飲んでいい思い出にしようか、という気持ちもなくはなかったっす。
綺麗な思い出を残したい天使と美味しい思い出を残したい悪魔が必死に戦っているっす!(笑)
…まあ、毎回絶対に悪魔が勝つんすけどな。
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===== 続く =====